
自己と世界の出あいの一致とは、自己と世界が直接体験を通じて一(いち)の関係になることです。ホロニカル心理学では「ホロニカル体験」と概念化しています。一致の瞬間、自己と世界の関係の区別はなくなり、無境界となっています。
一致の瞬間、自己は直接体験を通して世界を自己自身に映し、世界もまた同じ直接体験を通して自己をその出来事のうちに映し出すことで、自己と世界は相互包摂的な鏡映関係として立ち顕れています。
例えば、美しい夕焼けを見ているとき、私たちは普通は「私が夕焼けを見ている」と考えます。しかし、夕焼けに我を忘れているホロニカル体験時では、「私が夕焼けを見ている」という出来事と、「夕焼けが私に立ち顕れている」という出来事の二つが分離していません。
つまり、「自己は世界を自己のうちに映し、世界は自己を世界のうちに映している」といえるのです。
しかも自己意識の発達は、自己と世界の関係が、元来、相互包摂的な鏡映関係にあることの実感・自覚を促していきます。
自己と世界の出あいの一致の直接体験が、本来、実在する世界といえます。意識と存在の一体化した生き生きとした感覚こそが実在するすべてです。
自己無きところに世界はなく、世界がないところには自己もありません。自己なき世界とか世界なき自己は、絶対無(空)といえます。
自己も世界も、すべては絶対無から立ち顕れてくる現象といえるのです。
自己とは、絶対無から立ち顕れてくる出来事の中心点といえるのです。