共創的対話(3):新たな生き方の発見・創造

ホロニカル・アプローチによる心理社会的支援とは、被支援者と支援者が、被支援者の生きづらさを契機に、より生きやすくなる道を発見・創造していく共創的行為を意味します。

家族を含むあらゆる社会的組織は、組織が先に存在して組織特有の文化や社会的規範などのホロニカル主体(理)を形成するのではなく、各自のこころの交流を通じて、その場に特有のホロニカル主体(理)を生成していると考えます。

しかし、その場に特有のホロニカル主体(理)が生成されるということは、そのに生きる自己と他者を含む世界とのあいだに、絶えずせめぎ合いがあるということです。このことは、ホロニカル・アプローチのような心理社会的支援の場においても同様です。

ただし、ホロニカル・アプローチでは、支援者のホロニカル主体(理)による見立てと支援法の提示によって支援を行うのではありません。被支援者の生きづらさが少しでも生きやすさへと開かれていく道を、共創的対話の中で発見・創造していく姿勢を取ります。新たなホロニカル主体(理)の創造と発見の共創といえます。

支援の場そのものが、被支援者と支援者が共に、少しでもより生きやすくなる道を共創的対話によって発見・創造していく営みの場となることが目的となっています。

そのためには、まず支援の場自体が、被支援者にとって生きづらさが少しでも和らぎ、生きやすさを体感できる場となることが求められます。しかし、このとき注意すべきことがあります。それは、支援の場で体験された生きやすさが、支援の場を離れた後の現実の生活の中でも持続し得るものであるかどうかという点です。