
ホロニカル・アプローチでは、人の「見方」に注目します。
生きづらさを抱えているとき、私たちは知らないうちに「こういう問題だ」「こうするしかない」と、物事の見方が固定されてしまうことがあります。
その結果、本当は変わる可能性があるにもかかわらず、同じ考え方や感じ方の中にとどまり続けてしまい、自分ひとりでは抜け出しにくくなります。だからこそ、別の見方を持ち込める「他者」の存在が大切になります。
ただし、ここでいう支援者は、「正しい答えを教える専門家」ではありません。そうではなく、いろいろな立場や見方を行き来しながら、状況全体をやわらかく見渡せる人です。
とはいえ、どんな場面でも自由に見方を変えられる人は、そう多くはありません。そこで大切になるのは、一人の見方に頼るのではなく、支援者と当事者が一緒になって、さまざまな見方を試してみることです。同じ出来事でも、「自分から見たとき」「相手から見たとき」「少し離れて見たとき」など、見方を少しずつ変えていくことで、これまで見えていなかった意味や可能性が浮かび上がってきます。
ホロニカル・アプローチとは、そうした多様な見方を行き来しながら、生きづらさを少しずつほどいていくプロセスなのです。