共感の扱い方

共感とは、両者が完全に一致することを求め合うことではありません。それでは、自他がそれぞれの自己を失い自他融合的な一体化への幻想的希求といえます。共感が幻想的な一体化への希求となると、むしろそれが叶わぬ絶望に直面することになります。

共感とは、自分と違う他者がいることを、お互いが了解しあい、お互いが変容しあうことといえます。お互いの不一致を一致する瞬間、お互いの了解の中に一致の瞬間が場から訪れる出来事といえます。