永遠の理想と現実

台風一過

自己にとって永遠の理想は、自己と世界が完全に一致することです。しかしこの世に生きる自己にとっては、永遠の理想を希求しつつも、次のような現実的課題に向きあう必要があります。

それは自己と世界の不一致に遭遇したとき、いかに生きるかということです。

このとき、いろいろな道が考えられます。まずは、自己自身を世界と一致する方向に向かって変容させる生き方があります。次に、世界を自己に一致するように変容させようとする生き方があります。無論、ひたすら不一致が一致する時までじっと耐えて待つという生き方もあります。当然、状況に応じていろいろな生き方の組み合わせもあり得ます。

実際のプロセスはもっと複雑です。自己と世界の不一致・一致は、状況ごとにその都度その都度、瞬間・瞬間に絶え間なく創り出されているからです。そのため自己は、できるだけ効率的な自己照合システムを創りだしながら多層多次元にわたる複雑なシステムを作り出しています。そして、複雑な自己照合システム間同士においても不一致・一致を繰り返しながらも、自己はできるだけ自己と世界の関係の統合化を目指しながら生きようとしていると考えられます。

 

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