<安全・安心できる場><自己と世界の出あいの不一致・一致の直接体験><共同研究的協働関係の構築による共創><場所のもつ一切合切の矛盾を自己に映し、自己の内在化した場所的自己><今・この一瞬に、すべてが包摂されている>、そして<自由無礙の俯瞰>などが、ホロニカル心理学の重要概念です。
直接体験を、自由無礙の俯瞰が可能となれば、自己と世界の出あいの不一致・一致を、自己と世界がより一致する方向に向かって、適切な自己と世界の自己組織化が自ずと可能となります。
自由無礙の俯瞰とは、自己と世界の不一致・一致に伴うあらゆる出来事、すなわち究極的なミクロ世界から究極的なマクロ世界に至るまでを包摂する「今・この瞬間」の刻々変化する直接体験を、ひたすらただ黙ってあるがままに直覚することです。
それは、世界が自己を通して実際に存在する世界に触れることにほかなりません。
安全と安心できる場さえ保障されるならば、人は自己と世界の不一致・一致の直接体験を通じて、自己と世界が一致する方向に向かって、自己と世界を適切に自己組織化するように働き出します。それは内的な自己変容、または社会制度、組織、社会的意識・価値の変容を求める行為につながっていきます。
自己は受動的存在だけはなく、不一致を契機に一致を求めていく能動的存在でもあるのです。自由無礙の俯瞰は、多層多次元にわたる“こころ”のあらゆる内的対象関係や外的対象関係、そして内的世界と外的世界にわたる不一致を一致する方向に向かって自発自展的に適切な自己組織化を図ることを可能とするのです。
そしてもし心理社会的支援の場が、安全、安心で慈悲的な“こころ”によって包摂されているような場として布置する瞬間には、慈愛に溢れた絶対的観察主体による自由無礙な俯瞰が可能となり、もっとも適切な自己組織化が促進されるのです。