ホロニカル心理学が実感・自覚というときの自覚とは、ただ単に外我が認識するということではありません。
西田幾多郎は「思惟の統一の真相は、自覚の統一に於ての様に、自己の中に自己を写す自己代表的体系の統一であって、即ち自己の中に変化の動機を蔵し己自身にて無限に進み行く動的統一で在ると云わねばならぬ」(西田,1966)と指摘します。
ホロニカル心理学の自覚も「自己の中に自己を写す」無限の動的な深化のプロセスを意味します。自己と世界の不一致の出あいの直接体験の実感を自己自身に写し、不一致を契機に自己と世界がより一致するように内我と外我が無我となって自己及び世界の不一致を自己自身に写しながら一致を求めて自己組織化を無限に自発自展させていく動的プロセスを意味します。
<参考文献>
西田幾多郎,1966(西田幾多郎全集,第一巻,岩波書店,p225-226)