不変

恒常不変に思われるいかなる物も、極限まで突き詰めていけば、一瞬・一瞬、微細に変化しています。しかもある変化は、それ以外の一切合切の変化に影響し、一切合切が相互に一瞬・一瞬において縁起的な複雑なネットワークを創りあげています。そうした網目状のネットワークが生き生きとした今を産み出しています。

全く変化しない不変なる世界とは、新たに創造されるものものなど一切なく、消滅していくものすらない虚無といえます。しかし私たちは、決して虚無には生きていません。虚無は知的に考え出された世界といえます。私たちは、むしろ過酷ともいえるほど、瞬間・瞬間かつ確実に変容している無常の世界に生きています。無常の世界とは、必ず死する世界ともいえるのです。

しかしながら実に逆説的ですが、絶え間なく変化する無常の「永遠の今」こそが、まさに絶対的に不変的なるものとホロニカル心理学では考えています。