“こころ”とは(43):ホロニカル心理学と唯識思想との相似性

ホロニカル心理学の“こころ”の捉え方は、非有非無の“こころ”が唯一あるとする仏教の「唯識思想」の捉え方と相当近いのではないかと論考中です。またホロニカル心理学の“こころ”は、仏教の「空」思想にも相似的です。「空」として“こころ”が、唯識がいうように「一切不離識、唯識無境」にあると思われるのです。

ただし「空」の“こころ”とは、何もないという虚無ではなく、相対的な有無をすら生み出す唯一絶対的なるものという意味です。

相対的な可視化可能な有と可視化不可能な無からなる宇宙を絶対有の世界とするならば、絶対有の宇宙をそのものを生み出しているさらに根源的なフィールドとしての「絶対無」が「空」としてのホロニカル心理学が考える“こころ”です。

二元論的な物を有とし、意識(無意識を含む)を無とするならば、物質や意識の対立自体を創り出している非二元論的な働きに“こころ”の働きをみているわけです。

ホロニカル心理学の立場での“こころ”の捉え方は、物質と意識を二元論的に考え、意識を“こころ”と限定的に狭く捉える心理学の立場とは抜本的にパラダイムが異なっているのです。