自他の共創的関係

自己と他者は、互いに代替不可能な関係です。しかも自己は、異質的存在としての他者を自己の思うようにコントロールしようとしたり、他者に自己との完全なる一致を希求します。しかし、他者は身体的自己を別にする有限の存在である限り、自己の抱く願望が叶うことは不可能なことに絶望します。

このとき絶望は、自己のみならず他者もまた絶対的他者を自己の底に持っていることへの実感・自覚を促します。

この気づきは、やがて自他関係は、自己は他者を自己に包摂し、他者もまた同じように自己に他者を包摂しながら、新しい自己と世界を共創しあっていることへの覚醒に変わり、むしろ自己は安心感を得ます。