ホロニカル心理学からみた世界とは

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ホロニカル心理学において「世界」とは、単に固定的・客観的な外界を指す言葉ではありません。むしろ世界とは、自己との関係において、自己とともに一瞬・一瞬立ち顕れてくる出来事の場所を意味します。

自己と世界の出あい不一致になるとき、世界は自己にとって、非自己化された多層多次元にわたる対象世界として立ち顕れてきます。そこでは、世界は自己から切り離されたものとして体験され、自己違和感、抵抗、葛藤、恐怖、疎外、喪失など、苦を伴う出来事として顕れます。

しかし、への執着を離れ、無心無我となって自己と世界が一致するとき、そこには主観即客観・客観即主観ともいえる直接体験が生じます。このとき、自己と世界の関係は相即相入的となり、自己と世界は相互に包摂しあうホロニカル関係として、一切合切があるがままに体験的に実感されます。

さらに、自己のうちに、無批判・無解釈・無評価に出来事を見守る自由無碍な俯瞰が開かれるとき、言葉や概念によって分別されていた多層多次元な世界は、そのまま一切の対立や差異を超えた絶対的な「無分別」の世界として自覚されます。それは、東洋思想の研究者である井筒俊彦のいう「無分別の分別」にも通じる体験世界です。

したがってホロニカル心理学において世界とは、自己から独立して存在する固定的な外界そのものではなく、自己との関係において、不一致と一致を繰り返しながら、一瞬・一瞬生成し続ける出来事の場所であるといえます。