
メジャー性を、自己意識の発達の中で、誰もが社会的適応のために自己の内、特に外我に内在化する社会一般的な理(ホロニカル心理学のホロニカル主体:理)と考えるとき、マイナー性とは、数が少ないという意味ではなく、支配的秩序の内部で、それを内側から変形させる力といえます。それは、子ども、移民、障害者、被支配者、周縁化された人々だけでなく、誰もが自分の中にマイナー性を持っているときいえます。このマイナー性がなければ、かけがえなき自己としての自己同一性を失ってしまいます。その意味では、マイナー性とは、多数派的な同一性に安住するのではなく、そこから別の声、別の身体、別の関係を生成する力の源泉といえます。
人がある場において抱く、マイナー性からくる自己違和感とは、創造的世界によって創造された自己が、創造的世界の多様な自己表現の源泉といえるのです。世界の多様な表現としての自己がその同一性を主体的形成しようする契機となるのがマイナー性とはいえるのです。私たちは、メジャー性に代替可能な一般性を発見し、マイナー性に代替不可能な個性を見ていると考えられるのです。