非二元論的世界観と空の哲学

多層多次元にわたる重重無尽にわたる森羅万象が、根源的には量子場のような非二元論的な場として密接に相互連関する全体的一の出来事ならば、すべての現象は、一瞬・一瞬が相互に浸透し合いながらも全体的一にあることになります。差異性と同一性という相矛盾する関係が両立していることになります。一切合切が一切即一のホロニカル関係にあるわけです。

こうしたパラダイムは、AがAであるという自己同一性は、AがAでないという差異性によって成り立っていることになります。こうした論理が成り立つパラダイムは、すべては「無」から生まれた現象世界というパラダイムになるわけです。いわゆる「空の哲学」です。

私という個(自己)は、有限の身体的自己であるとともに、その根源において超個的なものとして他と不可分一体の存在となります。