身体と“こころ”

マコンデ

自己とは、身体として観察される物体であると同時に、自己と世界との出あいを直接体験し、それを実感し、自覚する自己言及的・自己再帰的な存在でもあります。前者は科学の対象となる身体としての自己であり、後者は非二元論的な身心一如の存在として実存している自己です。

前者と後者の自己は同一ではありません。前者の自己は、後者の自己がもつ一つの特性として理解することができます。後者の自己は前者の自己を包摂することができますが、前者の自己だけによって後者の自己を十分に説明することはできません。

しかも、このような自己の捉え方は、実感や自覚を自己にもたらす“こころ”をどのように理解するかという問題とも深く関係しています。

一般に前者の立場では、“こころ”とは物質としての脳が生み出す意識現象であると考えるか,心身二元論的に身体と心を分けて考えることになります。

それに対して後者の立場では、ホロニカル心理学が示すように、“こころ”とは個人の内部に存在する実体ではなく、自己と世界との相互作用のなかで生成され続ける場そのものとして理解されます。したがって、“こころ”は脳内に閉じた現象ではなく、自己と世界の出あいを成立させる関係的・生成的な働きとして捉えられるのです。

すなわち、“こころ”の働きを個人内部に限定された現象としてではなく、自己と世界との関係の中で生成される、より広い場の働きとして捉える考え方の差異の違いにつながっていきます。